機能性ディスペプシア - 衝撃の痛みからのスタート
ある朝コーヒーを一口。その瞬間みぞおちからナイフで刺され背中に突き出たのかと思うほどの衝撃が走りました。冷や汗が吹き出してその場に座り込み、全く動けません。心臓か?肺か?胃か?とにかく即近くの内科病院へ。
胸部のX線検査をして先生は
「ほぼ確実に胃でしょう。胃の部分に神経が集中している所があり、肺はこんなに急激に痛みが発生する臓器ではないし、心臓は血圧等問題ない。胆石等も見えない。」
とランソプラゾールとムコスタで様子見となりました。
ランソプラゾール
胃粘膜のプロトンポンプの酵素活性を阻害し、胃酸の分泌を抑制します。
ムコスタ
胃粘膜プロスタグランジンE2増加作用や胃粘膜保護作用により胃粘膜傷害を抑制し、胃粘液量や胃粘膜血流量の増加で血行動態の障害を改善し、炎症を抑え、胃粘膜を修復します。
薬で若干痛みが弱くなったものの、みぞおち心窩部から背中の痛みは一日中続きます。ずーーっと痛いんです。息しても痛い。熱い感じ、時々刺される感じもあるし重苦しいし、手首や顎、腰まで痺れたり痛みが走るんです。
その内ランソプラゾールでじんましんがポツポツ... カユイ!お腹はイタイ!もう大変でした。ランソ抜きムコスタのみで2週間過ごして何も効かない。でもなんとか数日ガマンしていました。
薬が切れたため、再診。先生に効かない旨伝えると、先生は
「次は胃カメラかな」
とついに出た恐怖の一言。そしてまた様子見。どちらかといえば空腹時の方が痛いので胃潰瘍かなと勝手に思い始めました。セカンドオピニオンを得るため大きめの病院へ行くことを決心です。
数日後少し大きめの消化器内科病院へ
そもそも私は胃カメラ恐怖症です。胃カメラは10年前に口から。死ぬ思いだったのが脳に焼き付き、鼻からなら楽だよと5年前に経鼻内視鏡を。それも全然楽ではなく、鼻血は出るわ、喉は傷だらけだわ、終始おえぇーーっとなりっぱなし。その後うつ病からパニック障害併発したのも相まって胃カメラ絶対恐怖主義です。
「どうせ普段から健康診断してないんでしょ?」
と職業欄からバレて、血液検査、尿検査、検便、胸部CTと出来る限りのことをその日やることに。
ピロリ菌は5年前の胃カメラで居なかったことを伝え、CTの結果は胃壁厚、胆嚢、腎臓、膵臓は問題なし。胃が原因かと思いきや、そうじゃない場合があり腎臓や膵臓がかなりの恐怖なのだそうです。血液検査は腫瘍マーカーは問題ないが、炎症反応少しあることから、もしかすると胃炎か胃潰瘍...でも
「やっぱ見ないとね」
コリオパン
内臓平滑筋のけいれんを抑えたり、胃酸の分泌を抑えることにより、腹痛を和らげます。胃炎、胃潰瘍、胆石症などの治療に用います。
ニザチジン
胃壁にあるヒスタミンH2受容体を遮断することにより胃酸の分泌を抑え、胃・十二指腸などの潰瘍、食道炎を改善します。通常、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎の治療に用いられます。
コリオパンとニザチジンをもらって1週間後の再診で、もらった薬で痛みが引かないと伝えると
「よし胃カメラしましょう」
キタ... 恐怖胃カメラ予約。1週間後となりました。
仕事しながらはキツイ
セルベックス
胃粘液の分泌を増加させ、傷んだ胃粘膜の保護や修復を促進します。通常、胃炎・胃潰瘍の治療に用います。
アシノン
ヒスタミンH2受容体を遮断し、胃酸分泌を抑えます。また、胃排出促進作用および唾液分泌促進作用を示します。通常、胃・十二指腸潰瘍および食道の炎症の治療に用いられます。
前回あまり効きがいまいちだったので薬が変更になりました。コリオパン セルベックス アシノンを貰いましたが、飲んで数時間は痛みが消えますがジリジリと焼ける感覚は消えず、すぐに強い痛みが戻ってきます。仕事はまともに出来ません。食事はお粥、うどん、もんじゃのループ。う、ステーキ食べたい(泣)
普通にサラリーマンなら休職せねばならないでしょうね。痛いなーっていう痛さではありませんから。もう全身具合悪いんです。寝ているときでも少し痛く、時々痛みで起きる。幸い自営業者なのでなんとか作業を休み休みやり過ごせました。本当にありがたいです。
パニック障害という高いハードルを前に胃カメラ検査を受ける
いよいよ恐怖の胃カメラの日。とにかく何も考えずに行こう!という意気込みでした。胃のことを知るというのが優先課題。まずは、胃の泡を消すマズイ薬をコップ一杯飲まされます。味のないスポーツドリンクみたいな、本当にマズイ味です。無理なら全部飲まなくても良いですよと言う割に、少しずつゆっくり飲んでいると「飲み終わった?」と看護師さんに何度もせかされ、あれ?この人何か引っかかる。
その後ゼリーの麻酔、キシロカインを鼻の両穴に注入されます。(スプレーバージョンもよく使われます)
ここからが大問題でした。
冷たいゼリー。口からしか息が出来ない。口からしか息が出来ないのに、鼻からゼリーが喉に落ちていくにつれ、麻酔が効き始めて首を絞められて喉が詰まった感覚に。意識して息を口からしなければならないため過呼吸の様になったとき、完全に明らかになります。脳の何処か、暗い記憶の奥でキラっと光るあの時の感触。年に何度も救急車で運ばれた痙攣発作です。ガタガタと体が震えて首と肩に力が入って抜けません。つま先を伸ばしてふくらはぎの筋肉にも力が加わります。もうダメです。
あまり優しくない病院
「あれ大丈夫?」
「す、す、すみません。ぱ、ぱ、パニック障害の発作だとお、思いますススス…」
ガタガタガタガタ。
「先生いま来ますからね!」
「あらら大丈夫かいー?」と先生。発作だと伝えると今日は止めて少しベッドで休んでいくように言われ、先生は戻っていきました。すると看護師さんが仕方ないなという表情を向けて
「いつもこんな状態?何処か精神科か心療内科に通っているの?ちゃんと治して来なきゃ出来ないじゃない。先生にも迷惑かかったよね。」と
痙攣中にまたもや引っかかる言葉。ベッドで1時間程休み、少し落ち着いてきたので、帰る旨伝えると
「心療内科を受診してきてくださいね。」
と言われ、なんかこの病院が嫌だと思ってしまいました。
悪気も無いのでしょう。単に病院がパニック持ちの患者の検査を今まで経験していないだけなのだと思います。理由はここが余りにも田舎だから。
また1週間後、以前飲んでいたジェイゾロフトとソラナックスを朝イチに飲んで再トライです。結果は×。薬は全身に効いているのですがやはり痙攣が始まります。また後日ということになりましたが、先生や看護婦さんに迷惑かけてしまい、謝りながら頭の中で、これは胃カメラ無理なんじゃないかなと思い始めました。
頭につきまとう「ガン」という単語
仕事中痛みが走ると手を止めるしかない。タイピングもままならない。「以外」と打ちたいときに指がもたついて「胃がん」と入力されてしまったり。うちの子ががドクターXにハマって何話も続けざまに観られると、ドラマの音が勝手に耳に入ってきて、「癌」という言葉が頭に長時間残っていたり。いつの間にかガンを疑うようになっていました。血液検査で問題なしと結果は出ていたものの、スキルスだと血液検査に出てこないこともあるそうな。つい2年前おばさんをスキルス胃癌で亡くしたばかりで頭からぬけません。CTも初期症状では見抜くことが出来ないということを記事で読んだり。ただただ怖い。便の色が黒くなっていないか気にしたり、どこか他に違和感のある臓器はないか押してみたり、事実かどうかわからないことを問題視して、それに振り回される自分がなんて弱いんだと悲しくなってきます。好きな芸人さんの番組を観て大笑いすることで気が紛れます。
しかし本当の不安は消えません。なにせ胃痛が始まったあの日から既にほぼ2ヶ月が経過していましたから。
鎮静下内視鏡検査?
気がつくと、自分がどういう状態なのか常に胃のことをネットで調べている自分。そうすると自然と消化器内科のことが目に入るのですが、鎮静剤で寝ている間に胃カメラをやってもらうことができるとのこと。これまで受診している病院でも行っていることが判明したのですが、僕の状態を知っている先生が鎮静剤を提案してこない点や、病院をコロコロ変えるのは良くないなと自分で思いながらも、何度も迷惑をかけていると恐縮して相談しにくいというものあり、近くのクリニックで鎮静剤でやってもらう方が良いかなと思い始めました。
街で唯一、鎮静剤の内視鏡を行っているクリニックへパニック発作が出る旨相談に行くと
「鎮静剤で試してみましょう!」
と優しい先生でした。これまで受けた検査結果を告げるとともに、胃潰瘍なら1ヶ月程度で治る場合が多いという情報を得ていた私は、
「胃潰瘍や胃炎だったとして、ずっと薬を飲んでいるのに2ヶ月間で少しも回復せず、24時間痛いままだなんて症例は一般的なんでしょうか」
という質問に先生は、
「普通にあるんです。これまでの薬も単に合わないだけかもしれないです。もっと強い薬もあるので試してみて下さい。」
と患者として嬉しいご返答をいただきました。
1週間後の胃カメラ予約とともに、タケキャブ・ムコスタ・ストロカインをもらいました。
タケキャブ
カリウムイオンに競合的な様式でプロトンポンプを阻害することによって、胃酸の生成を抑制します。通常、胃・十二指腸潰瘍、逆流性食道炎の治療、低用量アスピリン・非ステロイド性抗炎症薬服用時における胃・十二指腸潰瘍の再発抑制に用いられます。
ストロカイン
胃粘膜を麻酔し、胃酸の分泌を抑え、胃腸の運動をしずめて胸痛や腹痛、下痢を和らげます。通常、食道炎、胃炎、胃・十二指腸潰瘍、過敏性大腸症の治療に用います。
タケキャブは救世主だった 効きました
その日タケキャブとムコスタを飲みますと、夕方までずっと痛みが弱い。これには本当に驚かされると同時に救われました。これまでMAXに痛かった状態がタケキャブによってシクシクと痛い状態にまで改善され、何かに集中していると痛みを忘れることができる程になりました。ただ、夕方になると痛みがまた戻ってきます。下手に痛みが消えることに慣れてしまい、夕方以降の痛みに以前より耐えられない贅沢病に。ストロカインは麻酔なので非常時以外飲みたくありませんでしたし、1日1錠の容量を増やせないか先生に電話です。
「痛みが強い時、8時間以上あけたら飲んで良いですよ。」
とのことで、辛い時は2錠飲んでいました。そうすることで寝ている間も楽になり、不眠もかなり解消されました。タケキャブ!ありがとう!!!本当に有難かったです。
鎮静状態の胃カメラで再チャレンジ
またやってきた恐怖の胃カメラ。今回は寝ている間にやってもらえるとあって、前回よりは気持ちが楽な感じです。予約時に説明を受けたように検査後クルマの運転は出来ない旨、念を押されます。待合室から呼ばれて中に入るとまだ開業したばかりのクリニックのため何もかも新しく、中間色のライティングや落ち着いた内装にも精神的に助けられます。精神的に弱い人間には意外とそういうのって重要で病院選びに影響があると思いました。ベッドに横になり、
「喉に麻酔しますね」
と今回はスプレータイプのキシロカイン。鎮静剤を使う場合は大抵は経口だそうです。ただここは経鼻用の細い5mmくらいのカメラを口に使う様子。マウスピースをガシッと口に入れられ、
「もっと大きく口を開けられますか?」
結構な力で押し込められ、頭部をくるっと1周ゴムバンドで固定されます。
鎮静剤の点滴も始まり、
「もうすぐに眠くなってきますからねー」
と言われるとその瞬間。脳裏に甦ってくるあの感覚。またです。麻酔された喉の圧迫感がどんどん強くなっていき、息ができない気がしてきます。はっ、はっ、はっと意識的に息を始めていくとブルブルブル….ガタガタガタ….と痙攣が始まりました。
「大丈夫ですよー。鎮静剤が今効いてきますから安心してくださいねー。ゆっくり息をして。」
と肩をトントンしてくれますが全然ダメです。
だんだん眠くなってきますが、息の荒さは変わりません。痙攣も収まりません。
その内に意識が全く無くなりました。夢の中で担当先生が様子を見にきて
「あぁ、これはやめた方がいいね。」
と聞こえた気がします。目がパッと覚めると横に看護婦さんが居たので
「やっぱり出来ませんでしたか?」
と聞きますと
「そうなんですよ。記憶あるの?」
「なんと無く。薄っすらと。ほとんど無いですが。はぁ…またですね。申し訳なかったです。」
先生の説明では眠った後も痙攣が収まらずに、危険が伴うため中止したとのこと。痙攣を抑えるために強めに鎮静剤を入れたけど、これ以上は血中の酸素濃度が下がり過ぎてしまうため止む無く。こうなるとクリニックでは手の打ちようが無いので、酸素濃度が下がっても対応できるような大きな病院を紹介しますと大きな総合病院の紹介状をいただきました。
先生とても親身になってくれる良い人でした。申し訳無い気持ちがいっぱいのまま、また次の病院へいく事になりました。
運命的なものを感じるんです。結局どこへ行っても検査は出来ずに時間だけが過ぎていく。ガンだったら進行していくんじゃないだろうかと。
「セカンドオピニオンを求めて回っている間に手遅れになったら本末転倒ですから。」
という、またドクターXの心に刺さるセリフが聞こえました。
そもそもどうなの?胃カメラしない方法も!?
優しい先生に言われやってきた、街の中でも3本の指に入る大きな病院。簡単にできるようにシステム化され、久しぶりに来る総合病院はIT化が進んでおります。
そして今日も紛れもなく胃が痛い。
呼ばれるにも名前でなく番号が大きな液晶ディスプレイで光り、ドアを開ければ自分より若い先生。
「紹介状を読みました。あまりにも反射が強いので深く眠らせている間に胃カメラをやって欲しいということですね。何かあっても対応できるよう準備して…。できますけど、そもそもどうすか?胃カメラやりたいですか?」
おっと、不意打ち。胃カメラを受けにこの病院へ紹介されて来たのだが、受けたいかと聞かれるとそんなものそもそも受けたい訳がないのです。だから辛いのですが、胃は痛いので見てもらわないと心配なのです。
「年齢的に言えば癌の心配よりも膵炎とか腎臓結石とか胆石とかそっちの方が心配ですが、CTでそれらはクリアだということ。ピロリ菌もクリア。場所的には胃だし、何よりタケキャブが効くんですよね?なら薬で少し様子見るのも良いかと思います。同じ種類の薬でも細かく銘柄があって、個人差で効くものが見つかることが多いので、胃カメラ少し置いておいて薬を試してみませんか。」
「はぁ、なるほど。」
「決死の覚悟でわざわざ危険を冒して胃カメラやらなくても良いんじゃないですかね。おそらく胃潰瘍、機能性ディスペプシアじゃないかなと思っています。腸との関係もあって胃から下に流れていかないと胃が痛くなるので別の薬も出してもう少し様子見にしませんか。」
自分に合う薬を探すとは少し悠長ではないかと感じながら、しかしなんだかその説得力で仰せの通りに様子を見ることにしました。まぁ、胃カメラが嫌だというのが一番にあるから、私自身が自分から逃げたんです。しかし複雑です。万が一のことがあったら先生は責任取れないよね、でも薬だけで治ればそれは嬉しいし、と自問自答。お腹は相変わらず痛いし吐き気もひどい状態です。(その後、医者の友達ができたのですが、毎日がんを見ている先生なら、がんかどうかっていうのは血液検査やその人の見た目など上辺だけでかなりわかるものらしいです。)自分としては確実な証拠を出してもらわないと恐怖が消えないのが、なんとも。先生を信じないわけじゃないんですがね。
トリメブチンマレイン
消化管平滑筋に直接作用して、胃および腸管の運動を調整します。通常、慢性胃炎における消化器症状(腹部膨満感、腹部疼痛、悪心、あい気)、過敏性腸症候群の治療に用いられます。
やってみませんか からの 機能性ディスペプシア
薬が効いている実感はあっても、不快は消えずに数ヶ月。体重もみるみる落ちていきます。再診のときに別の先生に当たり、話をしていると
「うん、やってみましょうか。胃カメラ。キシロカイン無しで完全に寝た状態で。」
えーまじですか、そうですか、やっぱりやりますか。でもそう、自分でも何なのか分からないというのが余計に体調を悪くしている気もします。
ついに決行のとき。他の人達が検査を受ける部屋とは全く別の手術室のような部屋へ。そこには6〜7人程の大人数スタッフさんたち。カムバックできなかった場合に備える機器たちが目に入ります。あ〜マジで自分が嫌だと思いつつも、注射を点滴されるとすぐに意識が消えます。次のシーンは目が覚めて先生の話を聞く時間です。時間を感じることができない麻酔でした。みんなこうやって手術を受けるんだな、受ける人が一番強いなと感心しました。あの恐怖は一生忘れないでしょう。
「反応がキツく、見ることができない箇所はあったものの、重要な箇所については問題ありませんでしたね。胃潰瘍の跡がありますが治ってきています。こういう感じだと<機能性ディスペプシア>と呼んでいます。」
(見ることができなかった箇所...こわい)
「今回出すのは新しい薬でアコファイドというものです。これで様子みてみましょう。」
アコファイド
アセチルコリンエステラーゼ阻害作用により、胃の運動機能を改善したり、胃の内容物の排出を促進させます。 通常、機能性ディスペプシアにおける食後膨満感、上腹部膨満感、早期満腹感の治療に用いられます。
帰ってから薬の作用を見ますと、アセチルコリンを分解させるアセチルコリンエステラーゼを阻害するとあります。数日後驚く程に胃は改善しました。違和感はまだまだ残るものの、これまでとは別の次元で楽になったのです。合点がいきました。これまで禁煙時期から精神的に辛い状態が続きましたが、この私の脳は内蔵にも影響するようになっていたのだと思いました。アセチルコリンが足りないのです。
私と同じ思いをされている方がいらっしゃるなら、せめて一度はやはり目視で見てもらう事が良いと思います。この薬は胃カメラをせねば出せない薬なのです。そして「機能性ディスペプシア」と病名が付いた事で病気を自分の中で認める事ができました。
六君子湯
胃腸の機能低下、食欲不振、胃痛、嘔吐の治療に使用されます。 通常、胃腸の弱いもので、食欲がなく、みぞおちがつかえ、疲れやすく、貧血性で手足が冷えやすい人に用いられます。
六君子湯という漢方薬もだされました。1週間経ってもこれはあまり効き目を感じなかったので、飲むのをやめました。本当はダメなのを知っていますが。
1ヶ月後再診でかなり経過がなかなか良い事と、私のようなこんなひどい人間を検査してくれた感謝を報告に。この頃は食生活も気を使いながらであれば食べられる物の種類がかなり増えました。いつもキャベツや大根をほんの少量だったのが、1日1食できるようになり、調子の良い時は大好物のラーメンもステーキも。小さくして良く噛んで0.5人分を1週間に1度のような感じ。後日病院ではまた同じ薬が処方されましたが、このまま治ってくれると思っていたのに、そうはいきませんでした。
ここにきて
「ん?あれ?これってあの感覚?」
やはりまた辛い状態が戻ってくるのです。今度は首根っこを常時締められているような圧迫感と、声が出ない。圧迫からの咳。あと全身ザワザワする気持ち悪さ。案の定数日後には食べようものなら激痛です。チクショウ。
朝起きて何も食べられずに薬、昼に何か一つまみで薬、夕方キャベツや大根を食べて薬、起きていられずに横になりながらメール返信等の軽量級の仕事。そのうちに寝てしまっていて起きるのは0時頃。少し動ける時はやることを少ししてまた布団へ。そんなローテーションの毎日。
先生の意見としては、体の調子は波があるんだから、ゆっくりと様子をみないと、という事でした。そりゃそうだ。
大好きな食べ歩き→恐怖の食へと変貌
いい加減1年も辛さを味わっていると、そのうちにやってくるのが「食=恐怖」という方程式。食べると必ず痛い。調子の良い時は痛くない食べ物を調査する日と決めて、これなら良さそうかなというのを試しに食べてみるのです。常に下痢なのでアメリカで流行っていたLow FODMAP食を頭に入れつつも、逆流性食道炎の本(野村喜重郎監修)に載っているような胃に優しく、且つなにより自分が食べて痛くないものを表にしてリストを作成しました。
奥さんが買ってきてくれた、カロリーゼリー(トップバリュのは安い!)これは助かりました。飲むと明らかに動けるようになります。普段は何も感じませんが、体力のない時にはこの1本の小さな栄養を感じることができるようになります。カロリーだけでなくマルチビタミン等種類も豊富です。
食後痛みが少なかった食材(※私の個人的なリストです)
- キウイ
- バナナ
- キャベツ
- ブロッコリ
- 大根
- ピーマン
- にんじん
- 長芋
- オクラ
- ほうれん草
- なめこ
- しょうが
- アーモンド
- クルミ
- 米
- 豆腐
- 納豆
- チーズ
- 白身魚
- 青魚
- ひじき
- わかめ
- アカモク
- 牡蠣
- 卵
- 赤身の牛肉
- 脂身を取った豚肉
- 鶏肉ササミ
鍼の先生に徹底的にやってもらう
母親の友人が鍼灸を勉強して開業準備をしており、「すごい人いるから!」とその方の紹介で鍼灸院に行くことになりました。ただし遠方で電車で3時間半かかる場所で、ふらふらで歩くこともままならない状態なので、面倒だし、鍼とかプラセボだろうさと信じてないし、遠いので複数回となれば滞在費すごいし。みたいな、乗り気ではなかったのですが、そういうきっかけが生まれたのも縁であるのだろうと思い、1週間程その街に滞在しながら治療を受ける事にしました。
その先生の治療は、上記のような写真でイメージする一般的なものではなく、刺したあとにすぐに抜いてしまうような方法です。男性なので上半身脱いで治療を受けますが、女性はもちろんTシャツ等着ていて大丈夫だそうです。先生は天井を見て僕の方を見ずに、スーッとツボのありかを探していくように指で触り、ここだという所でブスっと刺してすぐ抜きます。これがチクリともせず、なにをされているのか全くわかりません。背中側と合わせて15分くらい。毎日連続で受けるのは今はダメということで、また明後日の予約をして帰りました。帰り道、体がボワーっと熱くて、重たくダルい感じがしたので、あ?プラセボじゃないなと思いました。
次回聞くと、それは正しい反応らしく効いているとのこと。そういうときにはお風呂に入らないように言われました。あと、運動とまでいかずとも、散歩くらいはするように言われましたので、治療しない中日には公園を歩いて探索しました。知らない街ではないのですが、住んではいないのですこし新鮮で歩く気になります。