禁煙=仕事になんない=何もできない=役に立たない=うつ
境界性パーソナリティ障害・うつ病だと診断されてから数年、このところ調子が良かったのに、今年の2月に咳が止まらず息苦しくなり、初期の肺気腫のためタバコがドクターストップ。
タバコがなんとか精神を支えてくれてた中で、おあずけとなると本当に苦しく、うつ病が再発しました。禁煙鬱がリアル鬱を呼んできました。
禁煙離脱症状は無くなりましたが、無気力で仕事が全くできません。一応あがいてみたりしますが、結局何も成果がでません。ツライのは先が見えないこと。どれくらい?この先何年経てば通常に戻るんだろう、と。禁煙からもうすぐ1年ですが、「今日は少し調子がいいな」という実感はこれまで皆無です。3年、5年と長いスパンで考えなければいけないのかもしれません。そして、「通常にいつ戻るんだろう」と考える時の「通常」というのは、もしかしたらタバコによってブーストされていた「異常」であって、現在のような何もできないのが本来の通常の私なのかと思えてきて、自分の情けなさが心の中に増えていきます。
ひどいもんです。シナプスが動かないのでしょう。でもこうやってパソコンに向いたり、食器洗いしたり、子どもの送り迎えも、出来る事の種類は以前のうつ病の時よりも遥かに多いんです。パニック発作も出ていません。タスクをこなすことはできないのですが、自発的に「あ、これやろう」思って実行できるのは以前より軽い証拠ということで。そこを道しるべに少しでも楽観的に考えるようにしています。「だめだ...」と思ったらすぐに「いやいや、今はまだ良くなっている途中だ」と考えるクセをつけています。すぐに頭から消えて落ち込んでしまいますが。
その間にアメリカ出張なんて大きなイベントもあったのですが、先生によると海外旅行はとても良くないらしいです。嬉しさから少しでも鬱を吹っ飛ばせるだろうと思っていたのに。
うつの本や仕事先送り解決本、色々と本を読みましたが、共通していることと言えば、
「完璧主義がいろんな悪さをしている」ということ。お客さんのためにと考えて考えて、考えぬいていることが「これはこうしてあげた方がいいな」とタスクを自分で(勝手に)増やして、それをこなすのができずにかえって仇となり、その量に恐れが生まれ何もできなくなってしまう。これ、当たりです。また、お客さんに色々と悪い点を指摘されて、打ちのめされて、自分が役に立ってないという考えが生まれる。逆に褒めてもらえて次回もそれ以上に良いものを提供しなければいけないと意気込んでしまう。これも当たり。
解決策としては、何か「ん?」と思うことがあっても、一喜一憂しないこと。相手が自分のことをどう思っているのか予想したり、自分はこう言われたから悲しいとか嬉しいとか考えず、目の前にあることをこなすことが重要だと思うべき。歯を磨いている時に、会議の議案を考えたりしない。お風呂に入っているときに1日の反省をしない。1本1本がきれいになってきたかな?と歯磨きに集中、お風呂に入っている時にその温かみが全身を纏うのを味わう。
あと、仕事量についてはまずタスクを自分の中で細分化し、パレートの法則(全体の2割が残りの分を生み出しているという考え)を心に持ち、1つのタスクで少しうまくできたなと思えばそれで上々だと自分に言い聞かせて、前述のように目の前のことを機械のようにまず実行すべしという事。うーん、あとは、少し休んで何か出来そうになっても、ついついガッツリやってしまって後でまた枯渇するので、ほどほどにしておいた方が良いということ。こうやって文章にしてみると、なんだか墓穴ほっているような間抜けに見えるけど、自身にとって本当に本当に重たい問題なのです。(こうやって少し客観的に考えられるようになってきていることも、良くなっている証拠だと自分に言い聞かせてます。)
気持ちの持ち方以外で言えば、たまたま動けたときの雰囲気を忘れないようにメモしています。うまく仕事が進んだら、その日に何を食べたか、窓から見える外の天気、聴いていた音楽、どんな作業から始めたら最後まで完了できたか、等です。また、朝散歩に行くというのは、かなり有効かなと実感しています。もちろん無理には行きません。気が向いた時に外に出てみます。
サプリは、ストレスホルモンのコルチゾール放出を止めるらしき ホスファチジルセリンを。リローラも減少させるのに良いとされています。サプリを休みにして薬を飲む時もあります。以前禁煙用に買ったブプロンがとても自分に合っているようです。ノルアドレナリン・ドーパミン再取り込み阻害薬で、手に入りやすく助かっています。
僕の場合、仕事のスタンスにおいて根拠のない自信があったり、頼まれた事柄を100%以上の結果で返すポリシーがあったり、それらは結局は「褒められたい」に繋がっているのかなと思うようになりました。承認欲求ですね、完璧に。アンダーマイニング現象で褒められるために何かをやる。人にこう思われたいという自分の理想像に近づくためにやる。やがて通常の褒められ方では満足できなくなる。褒められないとモチベーションが消滅する。子どもの頃、父親は夕食時にキレてみんなが食べてる途中にちゃぶ台をひっくり返したり、テレビ(当時ブラウン管の家具のようなヘビーなヤツ 笑)を持ち上げて投げて壊したり、母を殴る蹴るは日常で、そういう人間だったので、父親にはもちろん、母親の機嫌もあるのでいつも顔色を伺っていたことも関係あるのかと思ってます。その後離婚した後は、普通父親がやるような家事や振る舞いを長男だからという理由で行っていて、どこかで常にカッコつけていたというか、「お兄ちゃんは偉いね」とか「お兄ちゃんは将来この家を支えるような人間になるよね」とか親戚に言われて良い気になり、そういう部分に関して母も父親役を僕に依存していたなーとか、今回の落ち込みをきっかけに思い出すようになりました。そういう環境はやはり精神状態に強い影響があったのかなと思います。
Fake it until you become it.
ときどきテレビなどでも聞く話ですが、楽しくなくても口角を上げて楽しい「フリ」をしているだけで、心はハッピーになっていくとか、そういうのってやっぱり本当らしいですね。TEDで社会心理学者のエイミーカディーさんのビデオを観ました。胸を張り腰に手を当てて仁王立ちしたり、また座ってテーブルに足を乗せたり、偉そうな体勢を2分間しているだけで、コルチゾールが減少して緊張がほぐれ、面接等でうまくいくという、とても興味のある話でした。演じることでリアルになっていく。リアルになるまで演じる。これが正しいとすると、うつの時に iPhone のゲームを長時間してはいけないし、デスクに向かって細かい作業をするのも良くない。体が縮こまったら心も縮こまってしまう。偉そうにして、仕事できる「フリ」をしている事がうつ病患者でも仕事ができるようになるコツかもしれません。
幸せは感謝から/助けることが救われること
勉強して良い学校に入る。その学校で良い成績を取る(報酬)。そうしたら、クラスで1番になって、さらに学年でも1番に。人生の選択肢が増えて、良い会社に入れる。成績を上げて、出世する。もっと良いサラリーを出すからとさらに良い会社へ転職する。いつまで経っても脳への報酬が満足行くことにはならないそうです。現代社会のティピカルな成功は不幸なんだそうです。世界の国民幸福度ランキングで好景気なアメリカは42位、日本は28位。報酬を成功への一歩だと思わず、現状を納得し感謝すると、仕事している中で小さな幸せがありがたく感じ始め、幸福を感じやすい脳へとなっていく。報酬を忘れて仕事に集中できるようになり、実際に売り上げも上がると。ドーパミンが増え、幸福感を与え、パターン化した動作から逸脱して柔軟で違った方法を生み出していく。その訓練方法は感謝なのだそうです。メールの最後に一言、感謝の意を書くとか。
同じような話ですが、人間はオキシトシンを出すことで、心臓や血管をストレスから守っているとのこと。オキシトシンはハグすると出るホルモンとして知られていますが、ハグよりもストレスがかかるときに出るそうです。悩み事を打ち明けたくなるのはオキシトシンの仕業で、実際に支えられた時にはパワーアップしてストレスから立ち直らせてくれるということ。日頃、人の支えになるようにしていると自分がストレスを帯びた時に支えられやすいという点はもちろん、支える側もその人が元気になってくれたら嬉しく思えるのはオキシトシンが増強しているからだと。
「人の支えになんてなれる訳がない」という思いしか無いけれど、ほんの少しでも、玄関の乱れた靴を揃えてあげたり、固まったジャムのキャップを開けたり。役に立てれば、死のリスクを回避できるんだそうです。
なんだかんだ、知識を入れても結局はすぐに快晴になるはずもなく、ただただじっくりと、すぐに元の自分に戻ってしまうけど、気づいて修正していくようにして、徐々に徐々に。ね。